「海外に住むと、食費が高くなる」
赴任前は、わたしもそう思っていました。実際は少し違いました。
高いのは、輸入品です。
野菜も、海鮮も、肉も、卵も、現地のスーパーのほうが安く買えます。普段の食材で困ることはありませんでした。
そして、日本の食品も、こちらから見れば輸入品です。だから高くなります。
困るのは、その日本のものをどう手に入れるかだけでした。この記事では、その方法を4つ並べて、お金で比べます。
高いのは、輸入品でした
まず、わが家の買い方です。
普段の食材は、現地のスーパーで買っています。 野菜、海鮮、肉、卵。安いので、ここで迷うことはありません。
一方、現地のスーパーでは買えないものがあります。
- 日本の調味料
- ごぼう
- 納豆
- ちくわ
こういうものは、日系スーパーで買います。そして、その値段が日本の2倍から3倍です。
値段の差を決めているのは、日本のものかどうかではありません。輸入されたものかどうかでした。日本以外の国から来たものも、同じように高くなります。
外食も、同じでした
これは、スーパーだけの話ではありませんでした。
現地のレストランは安いです。 一方で、日本食のお店やイタリアン、そのほかの外国料理のお店は高くなります。
現地のものは安く、外から来たものは高い。 食材でも、外食でも同じでした。
つまり、駐在の食費が上がるかどうかは、輸入品と外国料理をどれだけ選ぶかで決まります。「海外だから高い」ではありませんでした。
スーパーには、アプリの中で行きます
ここまで「スーパーで買う」と書いてきましたが、補足します。
店には、直接行きません。アプリの中のお店で注文します。
現地のスーパーも、日系スーパーも同じです。欲しいものによって、アプリ上でお店を使い分けています。 お店によっては、独自のアプリを持っているところもあります。
- 最低の基準額以上を買えば、包装費が約12円。配送料は無料です(お店によって異なります。)
- 注文してから、30分ほどで届きます
- 料理をしていて足りないものに気づいたら、その場で注文できます
重いものほど、この仕組みが便利です。 飲料水、洗剤、トイレットペーパー。かさばる日用品も、全部家まで配送してもらえます。
日本のデリバリーとは値段の感覚が違うので、最初はびっくりしました。たまにはスーパーに行くこともありますが、多くの人がデリバリーを利用しています。
スーパーに行って、選んだものをかごに入れて、家まで運ぶ。その行為自体をほとんどしません。 ここが、日本との大きな違いでした。
車がなくても暮らせています
これは、家計にも効いていました。
重い荷物を運ばなくていいので、車がなくても生活できています。
日本にいたころは地方都市に住んでいて、車が欠かせませんでした。買い物も、車で行って積んで帰るものでした。こちらでは、その必要がありません。
駐在で車の費用が消えたのは、住む場所が変わったからだけではなく、この買い物の仕組みのおかげでもあったと思っています。
駐在で消えた費目・増えた費目は、こちらにまとめました。
→ 家計簿の費目分けは、目的から決める|一度設定すれば、あとは自動で管理できます
そして、「安い店まで足を運ぶ」という節約も、こちらでは意味がありません。どこで買うかは、距離ではなく品ぞろえで決まります。
日本のものを手に入れる方法は、4つあります
同じものを手に入れる方法は、ひとつではありません。
| 方法 | 値段の目安 | 手に入るまで |
|---|---|---|
| 日系スーパーで買う | 日本の2〜3倍 | その日 |
| ネット通販で買う | 日本の2〜3倍 | 数日 |
| 一時帰国で買って持ち帰る | 日本と同じ+荷物のコスト | 帰国のたび |
| 日本から送ってもらう | 日本と同じ+送料 | 数日〜2か月 |
値段だけを見ると、下の2つが安く見えます。でも、そこには「荷物のコスト」と「送料」があります。 そこを数字で見ていきます。
日系スーパーとネット通販は、どちらも2〜3倍
まず、現地で買う場合です。
日系スーパーは、その日に手に入るのが強みです。ごぼうも納豆もちくわも、注文したら30分ほどで届きます。値段は日本の2倍から3倍です。
ネット通販も使っています。値段はやはり2倍から3倍でした。品質は問題ありませんでした。
現地の工場でつくられたものは、日本と同じくらいでした
ひとつ、意外だったことがあります。
日本のブランドでも、工場が現地にある商品は、日本と同じくらいの値段で買えます。
理由は、さきほどと同じです。輸入していないからです。
「日本のメーカーだから高い」わけではありませんでした。どこでつくられているかで、値段は変わりました。
ただし、味が違うことがありました。 カレーのルーがそうです。同じ商品名でも、現地向けに味が調整されていることがあります。
「安く買えた」と思っても、家族が食べなければ意味がありません。そこは、実際に買って試すしかありませんでした。
何を日本から持っていったかは、こちらに書きました。
→ 駐在の持ち物、ほとんど現地で買えます。3年住んで分かった「買えなかったもの」
「送る」は、食品には向きませんでした
次に、日本から送ってもらう方法です。
結論から書くと、わが家は一度も送っていません。 理由は2つあります。
1. 食品は、送れないものが多い
日本郵便の案内によると、中国へは次のものが送れません(2026年9月時点)。
- 卵および卵製品
- 生または調理済みの肉およびその製品、水生動物製品
- 生鮮果物、野菜、土、種苗
ここが悩ましいところです。 肉のエキスが入ったルーや、だしの入った調味料は、この範囲に入るのかどうか、素人には判断がつきません。
送りたいものほど、送れるか分からない。 それで、はじめから選択肢から外していました。
2. 送料が、思ったより高い
料金も見ておきます。日本から中国へ送る場合です(2026年9月時点)。
| 重さ | EMS | 国際小包(航空便) | 国際小包(船便) |
|---|---|---|---|
| 2kg | 3,400円 | 2,750円 | 2,200円 |
| 5kg | 6,400円 | 4,850円 | 3,400円 |
| 10kg | 10,600円 | 8,350円 | 5,400円 |
| 20kg | - | 13,350円 | 9,400円 |
出典:日本郵便 EMS料金表(第1地帯)、国際小包料金表(第1地帯)
調べていて、意外だったことが2つありました。
EMSより、国際小包の航空便のほうが安いです。 5kgで6,400円と4,850円。1,500円以上違います。
そして、船便が安いです。 10kgで5,400円。1kgあたり540円になります。ただし、届くまで1〜2か月かかります。
なお、中国へのSAL便(エコノミー航空)は、引受けが停止されています。(日本郵便)
無料の荷物枠は、タダではありません
残ったのが、一時帰国のときに買って持ち帰る方法です。わが家は、これを使っています。
ここで大事なのは、無料の荷物枠を「タダ」だと思わないことです。
たとえば受託手荷物が23kg×2個まで無料なら、46kgを0円で運べます。 これは、送料に置き換えるとかなりの金額です。船便の20kgが9,400円ですから、46kgならその倍以上になります。
つまり、無料の枠は、使い切るべき資源です。空けて帰るのは、もったいないです。
逆に、枠を超えると高くつきます。 たとえばANAの国際線では、個数が1個超えると20,000円です。条件が重なると足し算になり、3個目とサイズオーバーで40,000円という例も示されています。
ここまで来ると、送ったほうが安い場合もあります。 20,000円払うより、船便で20kg(9,400円)を送るほうが安く済みます。
「安い航空券」に、荷物枠がないことがあります
そして、いちばん気をつけてほしいのがここです。
格安の航空会社では、運賃に荷物枠が含まれていないことがあります。
わたしが超過料金を払ったのは、格安の航空会社を使ったときでした。
実際の料金を見てみます。SPRING JAPANの国際線では、運賃タイプによって無料の枠が違います(2026年9月時点)。
| 運賃タイプ | 無料のお預け手荷物 |
|---|---|
| ラッキースプリング | 0kg |
| スプリング | 20kg |
| スプリングプラス | 30kg |
いちばん安い運賃は、0kgです。 何も預けられません。
預けるなら、あとから買うことになります。
| 重さ | 公式サイト・コールセンター | 空港カウンター | 搭乗口 |
|---|---|---|---|
| 10kgまで | 4,500円 | 9,000円 | 10,000円 |
| 20kgまで | 8,000円 | 16,000円 | 17,000円 |
| 30kgまで | 10,000円 | 20,000円 | 21,000円 |
出典:SPRING JAPAN「お預けの手荷物について(IJ国際線)」
空港カウンターは、ちょうど2倍です。 搭乗口だと、さらに高くなります。
カウンターの前で、スマホから買いました
これは、実際にやったことです。
空港のカウンターに並んでいて、持っていた航空券に荷物枠がないことを知りました。荷物を預けたい場合、そのまま頼めば2倍になります。そこで、公式サイトから購入することをすすめてもらいました。
その場でスマホを出して、公式サイトから購入しました。 同じ荷物なのに、半額で済みました。
ただし、事前購入には期限があります。
SPRING JAPANの場合、公式サイトやコールセンターで買えるのは出発時刻の2時間前まで。しかも1人1回のみです。2時間を切ってしまえば、カウンターで払うしかありません。
まず航空券に荷物枠があるかを確認する。空港に着いたら、荷物の重さを確かめる。 足りなければ、並ぶ前にスマホで買う。それだけで、金額が半分になります。
航空券は「運賃+荷物枠」で比べます
ここから言えることは、ひとつです。
運賃だけを見て比べると、間違えます。
一時帰国は、荷物が多くなります。20kg預けるなら、事前に買っても8,000円です。運賃が5,000円安くても、荷物枠を足せば逆転することがあります。
航空券を取るときは、運賃と荷物枠を足した金額で比べてください。
なお、SPRING JAPANの料金は2026年12月21日から改定されます。通常期で20kgまで9,000円になります。ここに書いた金額も、いずれ変わります。
いまは、荷物枠のある航空会社を選んでいます
超過料金を払ってから、やり方を変えました。
いまは、はじめから荷物枠のついた航空会社を選んでいます。 そのかわり、早めに買って運賃を下げます。
安い運賃を探して荷物枠を買い足すより、枠のついた航空券を早めに取るほうが、結果的に安く済みました。
一時帰国は日程が決まっているので、早く動けます。そこは駐在の強みだと思います。
航空券をいつ取るかについては、こちらに書きました。
→ 一時帰国の準備は「予定を入れる」から始まります|年2回・駐在3年のやることリスト
わが家の使い分け
3年やってみて、こう落ち着きました。
| 何を | どこで |
|---|---|
| 普段の食材(野菜、海鮮、肉、卵) | 現地スーパー(デリバリー) |
| 現地で買えない日本の食品(調味料、ごぼう、納豆、ちくわ) | 日系スーパー(デリバリー) |
| 現地で手に入りにくいもの | ネット通販 |
| 重いもの・かさばるもの(水、洗剤、トイレットペーパー) | デリバリー。運ばずに済みます |
| まとめ買いしたいもの | 一時帰国のときに購入 |
| — | 送るのは使っていません |
送るのをやめたのは、値段の問題だけではありません。送れるかどうかが分からないものを、送ってもらうわけにいかないからです。頼む相手にも手間をかけてしまいます。
まとめ
駐在の買い物について、分かったことを3つにまとめます。
- 高いのは、輸入品。 現地でつくられたものは安く買えます。外食も同じで、現地のレストランは安く、外国料理の店は高くなります
- 無料の荷物枠は、使い切るべき資源。 空けて帰るのは、もったいないことでした
- 「安い航空券」は、荷物枠を足して比べる。 枠が0kgの運賃もあります。いまは枠のついた航空券を、早めに取るようにしています
そして、枠を買うなら必ず事前に。カウンターに並ぶ前の数分で、金額が半分になります。
同じように駐在で買い物をしている方の、参考になればうれしいです。
駐在中のお金のこと、一緒に整理しませんか
初回のご相談は5,000円です。お問い合わせの時点では費用は発生しません。記事の感想やご質問だけでも大丈夫です。
※本記事は2026年9月時点の料金と、中国での経験にもとづいています。
※送料・手荷物の料金・禁制品の扱いは変わります。 航空会社によっても違います。実際にご利用の際は、日本郵便および各航空会社の公式サイトで最新の情報をご確認ください。
※値段の比較は、わが家が買っているものの実感です。国や都市、店によって大きく変わります。
車がなくても暮らせる理由は、別の記事に書きました。
→ 駐在の交通費は、驚くほど安いです|タクシー15分ぶんで、自転車が1か月乗り放題
食費のほかに、はっきり高いと感じたものがあります。
→ 駐在で予想外に高かったのは、習いごとでした|塾は料金すら分かりません
